1年目社員 × 総合デザインセンター長 対談

2024/01/29


インハウスのデザイン組織がどのような雰囲気なのか、その実際の温度感は外から知ることが難しいことのひとつだと思います。そこで2023年度入社の新人デザイナー3名がリコーデザインのトップにインタビューを行ってみました。

聞き手

高橋 凜太郎

2023年度入社 多摩美術大学 美術学部 生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻 卒業(1番左)

増田 京吾

2023年度入社 東北芸術工科大学 デザイン工学部 プロダクトデザイン学科 卒業(左から3番目)

皆越 涼馨

2023年度入社 武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科 卒業(左から4番目)

話し手

星村 隆史 センター長

武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科でインダストリアルデザインを学ぶなか、ユーザビリティのデザインに関心を持ち、当時から積極的に取り組んでいた株式会社リコーに1988年入社。
オフィス機器を中心にハードウェアのデザインとGUIのデザインを担当。
ハード・ソフトなど組織の縦割り構造を撤廃したUXデザイン室を組成するなど室長職を歴任し2020年より現職に就く。
(左から2番目)

23年度の新人の印象

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高橋:いきなりですが、今年の新人はどんな印象でしたか?

星村:例年、新人が複数入社すると異なるグループに分けて配属しているんだけど、今年はあえて皆さん3人を同じグループに入れました。そのせいもあってか、新人の皆さんの存在感が強く出ていると感じてます。いい意味でガヤガヤワイワイしていて、1+1+1=3以上の存在がデザインセンターに加わり、いい影響を与えてくれていると思ってます。

高橋:面接の時と入社後働いている様子を見た時とで、印象は変わりましたか?

星村:あんまり変わらない (笑)。みなさん素直だった印象があるので、結局変わってないです。

高橋:えー?でも面接の時は多少なりとも緊張からガチガチになる分、変わりそうですけどね。増田はどうだった?

増田:いや、自分が持ち込んだPCを面接会場のプロジェクターに繋ぐ方法がわからなくて、それこそ星村さんに教えてもらいながら投影してたね。

星村:全然かしこまってなかったよね。きっとプロジェクター操作担当の人だと思ってたんでしょ(笑)

皆越:私は面接であたふたしてしまって、帰り際はメソメソして帰った思い出がありますね。

高橋:みんなだいぶハプニング起きてるね(笑) 僕もそういえば、今の副室長に自分の提案物の技術的な疑問点を面接終了後に一言言われて、それについて数分ドア付近で議論してたかも。

星村:プレゼンいただく内容そのものも大事だけど、「この人と一緒に働きたいか」を大事な基準として人選しているかな。基本的には大学で学んできた事よりもその人がどんな人かをみていますね。

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星村さんの入社のきっかけ

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高橋:星村さんのリコー入社のきっかけは何だったんですか?

星村:大学では工業デザインを学んでいましたけど、その頃はまだGUIをデザインする仕事は少なくて、大学教育も色や形に力を入れているような時代でした。そんな中、リコーが「使いやすさ」にこだわった製品づくりに取り組んでいて、人間工学の学会でも積極的に活動していることを大学の助手さんに教わったことがきっかけです。個人的にもスタイリングよりも使いやすさの方に興味があったこともあってリコーに入社しました。

星村さんの手掛けられたデザイン

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高橋:星村さんはリコーでどんなものをデザインされたんですか?

星村:リコーに入ってからはコピー機や複合機の操作部のデザインを担当しました。その当時はデザインはプロダクトデザインしかなかったんです。と言うのも、時代としてはまだブラウン管の画面にコマンドを打ってパソコンを操作する時代だったからGUI (グラフィックユーザーインターフェース)がまだまだ一般的ではなかったんです。なので、自分の担当していたのはハードキーの形から配列、どうやったら使いやすくなるかって所。それぞれの機械によって、それぞれの操作パネルが存在していたから仕事は多かったですね。

高橋:今のUIでは定番の「液晶」が搭載されていない 時期ってことですね。たくさんの機能をハードキーに落とし込むのは大変そうですが、いろいろなパターンの可能性があってデザイン完成後の達成感はありそうですね〜。

皆越:具体的なモデルだとどんなものをデザインされたんですか?

星村:特徴的なものでいくと世界初の高速デジタルフルカラーコピー機の「RICOH ARTAGE 8000 」かな。マシンの上面にタブレットがあって、その脇のカラーサークルボタンを操作して原稿の一部の色を変更してコピーすることができると言う製品でした。この製品は高級機だったのですごくお金もかかっていて、カラーサークルを正確な色にするためにそれぞれの色をシルク印刷で一色ずつ刷るという贅沢な作り方だったのを覚えています。オフィスでの働き方が大きく変わっていく中で、デザインの仕事も初めてのことが多い時代だったなぁ。

皆越:チャレンジングな時代ですね。

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リコー総合デザインセンターの特徴

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高橋:センター長となると他の企業のデザインのトップの方と交流することも多々あると思いますが、他のデザイン組織の方と関わっていく中でリコーはこういったところが違うなと感じる部分ってありますか?

星村:デザイナーの能力向上のための取り組みに積極的なところは特徴的だと思うね。我々は組織として「成長支援プログラム」を運用しているほか、「GOOD ENOUGH.」のようにデザイナーの自主企画を受け入れて自律的な成長をバックアップしているところですね。理想とするデザインを突き詰めていくと関わる必要のある分野は製品やサービスのデザインだけじゃなく、そのWebサイトでの打ち出し方や展示会のブースの演出などのように多岐にわたることが多くなります。あるべきデザインを実現し、その世界観を正確に伝えるためには自分の持っている能力以上のことが必要になってくる。そうしたときにわかりません、自分にはできませんではちょっと困ることも出てくるので、自分が理想と考えるデザインを実現するためにこそ、自分のできる範囲や領域を増やしておくことは大事になってくる。そのためにそういった活動をしているんです。

高橋:「GOOD ENOUGH.」では星村さん自身もデザイナーとして参加されているようですが。

星村:どうしても育成というと“若手デザイナー”になりがちなのですが、何歳になってもスキルを広げていくことは大事ですよね。そのような流れが作れればという思いもありましたが、楽しそうな企画だったので自分もやりたくなっちゃった結果です。成長支援プログラムにも生徒としていくつも参加してますよ。

リコー総合デザインセンターの未来

高橋:リコーの総合デザインセンターをどのように変えていきたいですか?

星村:リコー自体が「OAメーカーからデジタルサービスの会社への変革」を掲げています。そんなデジタルサービスの会社のデザイナーとして力を発揮していける、会社を牽引できる組織になっていきたいと思っています。そのためにも前述の成長支援プログラムの設立などを通して支援をしています。

高橋:なるほど!最後に変化を見据えたデザインセンターに配属となる新人にどんなことを期待をしていますか?

星村:チャレンジ精神かな~。どうしても受け身だったりすると機会損失が多い。これやってみなよって言われて、えーって思いつつも「やってみます!」という元気さというかポジティブさは大切だなと思っています。前向きに考えると「こうやってみよう」とか、「こうしてみよう」とか広がりに繋がってくると思うので、そう言ったチャレンジ精神が大切かなと思ってます!

高橋・増田・皆越:確かにそれは大事ですね〜、頑張ります!!

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Takahashi

記事執筆

高橋 凜太郎
たかはし りんたろう

入社:2023年(1年目)
専門:プロダクトデザイン
出身大学:多摩美術大学 美術学部 生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻 卒業
現在の仕事:カメラのプロダクトデザイン/UIデザインなど
趣味:好きなことはドライブ、展示巡り

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