デザイナー視点でサステナビリティを改めて考えてみる

2022/07/11

 

視野を広げる機会がある

リコーデザインでは、視野を広げたり、新しい技術を身につけたりするために、通常のデザイン業務とは異なる分野のテーマについて考えデザインする機会を設けています。

今回は、世の中の大きな流れでもあるサステナビリティをテーマにしました。リコーは「持続可能な社会を、ビジネスの力で。」というスローガンを掲げています。サステナビリティというテーマに改めて向き合うことで、どのような考えが広がり、新しいアイデアが生まれ、それらをどのようなスキルで具現化するか、これらに対して具体的な解を探すべく取り組んでみました。

大きな問題を自分ごととして捉え直し、
アイデアの実用にこだわる

サステナブルの定義

サステナビリティ・持続可能な社会のために自分がデザインとして何ができ、どうすれば自分が腹落ちできるのかを議論しました。検討を開始した頃にコロナ禍が始まったことから、合わせてニューノーマルの視点も取り入れました。その視点とは、これまで意識しなかった日常が失われることの実感であり、社会の持続可能性という大きな問題を自分たちに引き寄せる助けにもなりました。その結果、以下の領域に取り組むことにしました。

オンライン中心の生活に、手触りを感じるには?
身近な自然や動物を保護したり、存在を実感するには?
普段は気づかない、些細な問題を意識するには?
社会問題との距離を縮めるには?

今回メンバーが取り組むことにしたこれらの領域は、ニュースや書籍などで知る世の中の認識としてのサステナビリティとはちょっと異なるかもしれません。世の中の大きな問題に加え、参加デザイナー個人の身の回りにある問題を踏まえて、課題を設定しました。

これらの領域でデザイン始める前に、二つの制約を加えました。一つは技術的に実現可能で安価に製造できること。もう一つは、実際に機能して使えることです。一見、普通のことのよう思えますが、実際はデザイナーが製造まで細かく関与することは多くありません。企業の業務では部門ごとに役割分担があり、加工・製造方法・調達は専門部署が責任を持ちます。そのため、自分の活動領域を拡げながらデザインする、という普段とは違った制約を意識してデザインすることは、視野を広げる良い機会になりました。

特に若手デザイナーにとってチャレンジでした。再定義したサステナビリティからアイデアを発想する産みの苦しみ、UIデザインを専門とするデザイナーが3D CADに取り組むスキルのギャップの克服、高価で大掛かりな金型を使わない材料や加工方法の調査から試行錯誤、模型でなく使用に耐える物を少量生産できる協力先探し、社内稟議を通して契約・発注・納品・支払いをするまでの一連の交渉などなど。いつかは経験することかもしれませんが、短期間に経験することで今後の活動領域が広がることを期待しています。

コロナ禍の中、チーム内検討や様々な調査、協力先との打ち合わせなどはオンラインでの実施となり、思い通りにはなかなか進みませんでした。しかし参加デザイナーの努力と協力先のご尽力により、最終的には「災害時のペットとの共生」「環境意識の向上」「コロナ禍で変わるライフスタイルへの適応」といった視点に繋げることができ、それぞれの持続性を表現することができました。

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