身近に置きたくなるMFPを目指して

2016/01/25

 
This is こだわり 「身近に置きたくなるMFPを目指して」
倉田信 武田 修一 プロダクトデザイナー: 総合デザインセンター
オフィスのアイコニックな存在
今回、この商品を担当したのは倉田と武田だ。始めにデザインコンセプトを倉田がまとめた。企画から「デザイン重視のMFPを作りたい。コストや設計のことは考えずデザインしてほしい」と言われた。今までにないことだった。「お客様からこの商品が欲しい、と指名されたい」と意欲を掻き立てられた。デザインコンセプトは身近に置くことができるMFP、ではなく 「身近に置きたくなるMFP」。それには洗練されたデ ザインが必要だ。ファッション、 家電、車、 インテリア、カフェなどオフィスではない空間に自ら足を運び、肌で空間を感じた。倉田は「事務機器ではなくオフィスの雰囲気が良くなるインテリア用品のようにしたかった。ソファやカーテンのように部屋の雰囲気を変える存在。コピーがとれるインテリア用品」。オフィスのアイコニックな存在になるように。
海外出張で気づいたデザインの大切さ
倉田は以前、海外出張でリコーの知名度が低い地域において、ブランドではなく商品を見て気に入って購入してもらえることの大切さを知った。「お客様が購入検討から使用などリコーと関わるすべての場面を通して、リコーで良かったと思える商品、オフィスの雰囲気が良くなったと思える商品をデザインしたい。そのためにデザインができることをやりきりたい」と思った。
愛着がわくMFP
倉田がまとめたデザインコンセプトを武田が具体的なデザインにした。「MFPらしさから離れるために、今までとは違ったことをやってみよう」。まずMFPらしいと感じられる要素を洗い出し、それらを排除した理想的なデザインを追求した。そして企画や設計とどこまで実現できるか、話合った。武田がこだわった点はいくつかある。「コンパクトに見せるには」、外観の四隅に大きなR(角の丸みの半径)を施すことにより、実際のサイズよりも小さく見せた。「身近に置きたくなるには」、背面もスッキリするようにコネクタ部分とケーブルを収納するカバーをつけた。「MFPらしさから離れるには、自動両面原稿送り装置や排紙トレイは本体からはみ出さないように、A3用の延長トレイは収納できるようにした。武田は細部を丁寧にデザインすることで「このMFPに私的な物のように愛着をもってもらえたら」と願っている。
普遍性のあるデザイン
「長い間気に入って、いつまでも古くならないデザインをしたい」と武田はいつも思っている。 流行や最新のニーズを表層的に取り入れて、すぐに陳腐化してしまうデザインではだめだ。MFPは公共性が高いので、多くの人に受け入れられる普遍性が必要と考えている。オフィス環境の変化を把握し流行と普遍とを見極めた上で、デザインを進化させている。
宗像孝 デザインディレクター
デザインで社会に貢献にできることは何かを常に考えている。それは、お客様が欲しいと思うモノを、実際にカタチにして見せたり、触れられるようにしたり、具現化したりすることだ。この商品でお客様の様々な想いをカタチにした。お客様が 「オフィス環境がよくなっ た、便利になった」 と感じてもらえたらうれしい。
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