ビー玉アイコンに込める想い

2013/03/28

 
This is こだわり 「ビー玉アイコンに込める想い」
梅澤 朝樹 UIデザイナー (総合デザインセンター)
シンプルと緻密が、UIデザインの醍醐味
梅澤は複合機のUIデザインを手がけている。父は版画家、母はグラフィックデザイナーというアーティスト一家で育ち、小さい頃から絵を描くことが好きで画用紙や時には家の壁にまで描いていた。
梅澤は日常生活の中で両親の作品から様々な感覚を身につけた。父の描く緻密なデザインの版画、母の描くシンプルなラインのイラスト。両親の影響を受け、“シンプル”と“緻密”の両方をデザインで表現するようになった。
「シンプルな画面デザインを目指す一方で、世界中のお客様の調査や分析をするなど緻密な作業が必要。緻密な情報をいかにシンプルに表現するかがUIデザインの醍醐味」と梅澤は言う。
リコーの顔となるアイコンのデザイン
今回、梅澤がデザインしたホーム画面には、真っ白な空間の中 にビー玉のような色鮮やかなアイコンが並んでいる。「“リ コーと言えばコレ”といった印象性を提供したかった」と梅澤 は言う。球の形は一見シンプルではあるが緻密な描き込みがされている。「お客様が画面を触る機会は一日の中でそれほど多くないため、操作に習熟するのが難しい。毎回画面の中を覗いて「どのボタンかな?」と探さなければならなかった。球のアイコンによって、デスクから複合機に向かっている途中に『あのアイコンね』と自然に思い出せるようにしたかった」と語った。また、白い背景はアイコンの立体感と質感を際立たせ、より印象に残るように工夫されている。
変えるデザイン、守るデザイン
梅澤はコンパクトなサイズの画面もデザインした。「画面が小さくなっても、今までのリコーの操作画面を使い慣れているお客様のために、変える所は変えるが、守るべき所は変えなかっ た」と言う。“守るべき所”を明確にするために、何十万件にも及ぶ世界中のお客様の使用データを分析した。「初めてお使いになるお客様はもちろんのこと、リコーのデザインに慣れ親しんでいるお客様に受け入れていただけるよう、一貫性のある操作性を提供したかった」と梅澤は語った。
必要な機能だけに絞ってレイアウトされた画面は、コンパクトであっても見やすいように配慮されている。
想いをカタチに
梅澤はWEB制作が好きで、通勤の間に野球や旅行、子育てなどのWEB制作を毎日行っている。趣味の野球では、その結果をWEBで公開している。「周りの人との関係作りのために皆で集まる機会を作り、思い出を形として残すためにWEBを「作っている」と言う。そして、「複合機のUIデザインも同じ。お客様の要望や開発者の想いを目に見える形として表現することはデザイナーにしかできない大切な役割。だからこそ表現力には磨きをかけていきたい」 とも梅澤は語る。
皆の想いをカタチにするために、シンプルと緻密な表現力を持つUIデザイナー梅澤は、次にどんなデザインをしていくのだろうか。
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